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第4章 ～　ご主人様を想う　～

わたしは思い切って、慎二さんにメールした。


　『叱られるかもしれませんが。


　実は「なな」は、本名ではありません。
　ニックネームです。


　私は、よくわからないのですが、
　表の世界と裏の世界でお名前は変えるものなのでしょうか？


　私はそういう意味で、「なな」と名乗ったわけではありません。


　名前コンプレックスなんです…。


　なにからなにまで面倒なタイプで申し訳ありません。


　本当は「七瀬」と申します。
　この名前が、あまり好きではなくて。
　なんだか、名字なのだか名前なのだか……。
　はっきりしない名前が好きではなくて。
　掲示板に「七瀬」と書いて、名字？と思われるのが嫌だったので、
　お友だちに呼ばれているニックネームにしました。
　(ななちゃんやななっちと、呼ばれていました。)


　でも、慎二さまは特別なので、
　やはり嘘の名前ではないけれど、
　きちんとお伝えしたいと思いました。


　呼び名は、
　慎二さまのお好きなほうにしていただければと思います。


　ただ、一つ、お願いしてもよろしいでしょうか。
　「七瀬」にしよう思われた時は、
　ひらがなで「ななせ」と書いていただくことはできますでしょうか。
　漢字で書かれるのが、本当に嫌いなんです…。
　どちらでもよいようなことと思われてもしかたないのですが、
　お願いできれば…と思いました。


　あと、地域性のことになるのですが。
　………あの、その。
　慎二さまは、オメコと書かれますが(関西？)
　私は、おまんこのほうが慣れています(うぅ恥ずかしい…。)
　こういうコトは、統一したほうがよいのでしょうか。
　それとも、ご主人様に命令していただき、
　従わせていただくほうがよろしいのでしょうか。
　慎二さまのおっしゃる通りにいたしますので、
　教えていただければと存じます。』


陰部の表記の仕方……を書いているだけなのに
手のひらに汗がにじんでしまう……。
ＰＣの前で、わたしは一人、赤面した。


でも。
オメコと書かれても、淫靡な気持ちになれなくて……。