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第4章 ～　ご主人様を想う　～

　『例の彼です。
　彼は、たしかにノーマル？
　だったと思います。


　が、ほぼsexはケータイやスマホで録画……。
　ソファーの上でＭ字開脚、
　オナニーも録画や写真……です。


　私はこの通りのＭですので、
　少しは嫌でしたが、
　ほとんど受け入れていました。


　彼が、
　オナニーをして自撮りを送ってほしい。
　と、言った時、一つだけお願いしました。


　「見た後は、必ず削除してほしい。」


　と。


　彼は、守ってくれませんでした。


　「消したくない。」
　「こんな素敵な写真、削除するなんてもったいない。」


　何年かごとに、このことで言い争いになり、
　嫌々彼は画像を消していました。


　別れを決定づけた今回、
　私の一時的な感情で、
　私がさよならメールを送った際


　「写真は消してください。」


　と、伝えました。


　彼からは


　「ご要望通り写真は全部消去したし。」


　と、メールがきましたので消してくれたと思います。



　私は、不倫にもルールがあると思っています。
　

　写真は、持たない……。
　写メールのやりとりをしても、削除する……。


　私は、Ｍだから。
　彼がちゃんとお願いを守ってくれていたら、
　削除後、また送って、
　それを削除してくれたらまた送って……。
　と、毎週渡すつもりだったのですが、
　大切な(お互いの身を守るためにも)約束を
　守らなかったことが
　どうしても納得できませんでした。


　このことがあって、写真には抵抗があるのです。
　でも、慎二さまは彼とは違います。


　ＳＭで現実の平和な家庭生活を絶対に壊してはい けないよ。


　と、おっしゃっていたからです。


　慎二さまが、
　私の伝えたことで私をイメージするのが好きなのか、
　やはり写真があるほうがよいのかわかりません。


　慎二さまは、写真について
　どうお考えでいらっしゃいますか？』


目を伏せて、ため息が漏れた。


正直なところ、彼のことを事細かに
伝えるのは……つらかった。


でも、ただのわがままで、
写真を送るのが嫌だとは……
思われたくなかった。


理由を説明して、
それでも、慎二さまが
写真を求めるのであれば、
それは、この世界のルールなのだと
納得しようと思ったから。