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~ 愛しい人へ ~
第2章 ~ 彼を想う ~
抱き締められた時とおなじように、


あのキスをした後も……、


なにも変わることがなかった。


わたし、からかわれてる?


日々、悶々と過ごすしかなかった。


仕事……辞めた方がいいのかな。


この間更新したばかりだから
契約期間、まだ2ヶ月もあるし……。


わたしは、どうすることもできなかった。


そんなある日


「今、急ぎの仕事、なにかしてる?」


彼が声をかけてきた。


「……いえ、特には…。」


「じゃあ、これ、やってもらっても大丈夫かな。」


彼が差し出す資料を受け取り、


「いつまでにすればいいですか?」


「今日中。」


私の眉間にしわが寄る……。


「あの、もうすぐ定時なんですけど。」


「わかってるよ。」


彼がぶっきらぼうに言った。
……、不本意だけど頼んでるってこと……か。


小さくため息をこぼした。


「わかりました。」


わたしは、PCの前に移動した。


残業させたくないけど……、わたしだから頼んだのだと。
そう思おう……。


わたしは、ひたすら資料のデータを入力していった。


一通り、入力し終わったところで、手を止めた。


時計は、終業時間より1時間半過ぎていた。


あと、30分で見直しすれば……


なんとか2時間の残業ですみそう!


テンションが上がる瞬間。


やり遂げる、達成感。


思わず、笑顔がこぼれた。


「残業して笑ってるヤツ、初めてみた…。」


声のする方を見ると、彼だった。


顔が赤くなる……。


「いいじゃないですか、別に。」


「もう終わりそう?」


「……ええ、まあ。」


彼は、わたしとの距離を縮めて、


「一緒に行った店で、ごはんしよう。」


と、言った。


「え?」


「残業させたし、お腹、すいてるだろう。」


「はぁ……。」


「さっさと仕上げてね。」


彼は、そう言って、自分の席に戻っていった。


……、喜んでいいのか。


身構えるべきなのか……。


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