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~ 愛しい人へ ~
第4章 ~ ご主人様を想う ~
わたしは、夜中に
PCでお気に入りの音楽を聴きながら、
慎二さまへの返信を書いていた。


 『とてもとても、と~っても長文になってしまいました。
 ご主人さまが、暇をもて余してしかたない時にお読みください。


 > 千帆には言い難いのだが、
 過去の奴隷たちがそうだった。


 > 初めは、私も戸惑ったよ。


 > 彼女たちは、短期間で私に服従していき、
 一所懸命、生真面目に、
 命令に従おうとしていましたから。


 ご主人さまの過去の奴隷さんのことは、もちろん気になります。


 千帆は、何人(何頭?)目ですか?


 聞いてしまうのは、容易いことですが、
 その後に残るものは切ない気持ちだけです。


 聞かなければ、背負わなくてよいもの……です。
 過去の失敗で知っております。


 他のM女さんたちのことはわかりませんが、
 あくまでも、これは千帆のことです。


 愛されたがり屋さんなのです。


 普通の人なら満足する量でも足りなくて……、
 千帆は業が深いのです。』


聞きたいけれど、


聞きたくない。


千帆が……、


何人目かだなんて。


だから。


「聞かなければ、背負わなくてよいもの……です。」


と、書いた。


聞いてしまえば、
見えない…誰かに
嫉妬することになる。


それは…、


彼と……
樹ちゃんとの恋愛で……経験した。


せつなくて、
もどかしくて、
どうにもできない想い……。


わたしの自信のなさが
ドロドロとして気持ちを
呼び寄せて…、
冷静ではいられなくなってしまう。



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