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第4章 ～　ご主人様を想う　～

わたしは、電車の中で
返信を書いていた。


　『表の世界の千帆は、とても幸せでした。


　２年ぶりにお友だちと再会いたしました。


　お友達が旅行のため、新幹線に乗り、
　千帆の住むところにやってきたためです。


　行ってみたいカフェや、
　お気に入りのパティスリーに
　足を運びとても充実しました。


　お友達は、だんなさまと一緒に
　近々お店を開くそうです。


　オープンしたら、遊びに行くね(^^)と、
　約束して別れました。


　千帆は。


　日曜日なのに
　ご主人様からメールがあり、
　驚きました。


　千帆の勝手な脳内変換で、
　ご主人さまは
　日曜日はお仕事がお休みで、
　メールは来ないと思っておりました。


　> 奴隷は、千帆で3人目だ。
　> 現在は、千帆のみだ。
　> しかし、地元で縁があれば、
　> 奴隷を持つつもりだ。
　> これで、よいか。


　ご主人さまが、いじわるなのか、
　千帆の文章力がなかったのか……。


　千帆は、聞くのはたやすいけれど
　切なくなるので、
　聞かなければ背負わないものだから………
　つまりお聞きいたしません。
　と、いう意味で
　メールを書いたつもりでした。


　ご主人さま、丁寧に答えてくださってます……。


　今後、ご縁があれば奴隷を持つつもり……とあり、
　ふつふつと疑問が沸きました。


　奴隷誓約書で、千帆は
　「未来永劫」千帆のご主人さまは慎二さまです。
　と、お誓いいたしました。


　そこに、慎二さまが新しい奴隷さんを持つ……となると、
　千帆は野良になれますか？


　千帆からは、こうしたいです。
　という主張は当然できないですから、
　ご主人さまがお決めになると思うのですが。


　主従関係の規則がよくわからないので、
　とても謎です。』


思ったことを書いた。
モヤモヤしたままは、なんだか気持ちが悪いから。


矛盾があると…感じたから。


ご主人さまが望むことは、
叶えたいと思う。


それは、千帆の喜びに
変わるから。


でも……。


他に奴隷を持つというのは……、
やはり、理解しがたかった。