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~ 愛しい人へ ~
第4章 ~ ご主人様を想う ~
ご主人さまのメールを読み終えた。


はらはらと。


涙がこぼれた……。


最後尾の車両には、わたし一人だった。


わたしは、それがわかっていたから、
涙を拭わなかった。


思いのまま、涙を流した……。


見慣れたい車窓からの景色は、
いつもと違って、
ぼやけて見えた。
ギラギラした日差しを
淡く柔らかいものに変えた。


そして、わたしは
ゆっくりと……瞼を閉じた。


涙が、大きな流れとなり、
こぼれていった。


ご主人さまのキスは……


彼と……樹ちゃんと


あまりにも似ていたのだ。


彼の唇の感触が蘇った。


触れると
壊れてしまうから……
そう言っているような
柔らかく甘いキス。


彼の唇からは、
わたしへの想いが伝わってきた。


愛しいものを包み込むような……
そんなキスだった。


何度も、
触れては離れ、
離れては触れる……
彼の唇。


そして、
わたしは、少し唇を開く。
彼の舌を受け入れるために。


彼の舌は、
私の唇を割って入る。


私の唇に絡みついてくる……。


ダメだ……、


ご主人さまの描写と
彼とのその行為は……
重なりすぎた。


わたしの心は、
確実にバランスを失った。


ご主人さまに従じることで、
ご主人さまを好きになって、
彼のことを……
少しずつ忘れていたのに。


まだ、
こんなにも鮮やかに。


まるで、昨日交わしたかのように
キレイに一コマ一コマを
覚えていて……
こんなふうに思い出せてしまう。


わたしの心の中からは
やっぱりいなくなることは
ないんだ……。


まだ好きなんだ……。





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