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~ 愛しい人へ ~
第4章 ~ ご主人様を想う ~
とても短い……、
そしてご主人さまらしいメールにも
返信を書いた。


 『> 今一度、千帆に問う。


  「今の、お前は、私の何だ?」


  主』


 千帆は。


 ご主人さまの奴隷です。


 千帆は。


 ご主人さまの持ち物です。


 未来永劫に。』


返信も短くなってしまった。


だけど、思いのたけを綴った。


そう、千帆は
慎二さま……ご主人さまの奴隷だ。


ご主人さまからご褒美で与えられるキスが
どんなに
彼のキスと似ていたとしても……。


それは、通りすぎなければいかなかった。


千帆が、ご主人さまの奴隷であるなら。


わたしは……自覚が足りない。


ご主人さまの奴隷だという自覚が…足りない。


千帆は、ご主人さまの持ち物だから。


思い出しては……いけなかったのだ。


千帆に、キスの気持ちよさを与えてくださるのは
ご主人さま。


そして、そのキスは
ご主人さまよりご褒美としていただくもの。


恋愛で交わす……キスとは違うもの。


まだまだ自覚のない奴隷だから。


だから、彼のキスを思い出してしまうのだ。


奴隷であるということをわきまえたなら、
きっとあの切なさを味わうこともなかっただろう。


与えられたご褒美のキスに
酔いしれ…喜びに震えただろう。



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