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~ 愛しい人へ ~
第2章 ~ 彼を想う ~
ホテルを出て、
彼は、
タクシーで送ってくれた。


タクシーの中で、彼は、
奥さんにメールしていた。


わたしも、ケータイの
着信を確認した。


3月4日……。
昨日、ひな祭りだったんだ……。
……、初めての日、覚えやすいな。


時間は、午前2時…………、
明日、仕事、行きたくない……。


次の朝、気が重かった。


彼と顔を合わせたくなかった。


というより、


どんな顔をすればいいのか、
わからなかった。


朝礼に少し遅刻してしまった。


わたしは、後ろの方、
隠れるように参加した。


彼の背中が見えた。


彼は、時々、後ろを見ていた。


もしかして。


わたしを探している?


朝礼が終わって、
彼がわたしに話しかけてきた。


「よかった。
心配だったから。
今日、ランチ、行こう。」


と、言って、立ち去った。


わたしのこと……
心配してくれてた……。


12時前、彼が目配せした。


わたしは、


「お昼、いってきま~す。」


と、席を立ち、エレベーターに向かった。


しばらくして、彼がやってきた。


無言で、ふたりで、
エレベーターに乗り込む。


「なにか、食べたいものある?」


「特には……。」


彼は、メインの通りと逆方向に歩く。


落ち着いたお店。


彼は、中に入った。


わたしも後に続いた……。


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