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~ 愛しい人へ ~
第4章 ~ ご主人様を想う ~
会社へ向かう、電車の中で
ご主人さまへ返信を書こうと思っていたけれど、
新着メールが一通あった。


ご主人さまからだった。


 『千帆。
 なぜ、私がオナニー禁止にしたか
 お前はわかるか?


 > 千帆のご返答になります。


 この言葉の前に、
 挨拶の言葉を言わなければならない。


 > ご主人さまの足指をどんなふうに、
 味わわせていただくのかもわかりませんし……。


 > 千帆は、まだどんな気持ちになるのか……
 わからないのです。


 千帆。


 足指を味わう……
 この行為は、
 奴隷の身分を
 確認する行為の一つなのだよ。


 普通の女性にもさせない。
 ただのM女にもさせない。


 私の奴隷にしか認めない行為だ。


 奴隷はそれをどう感じるか……。


 奴隷だけの特権と感じ、
 喜んで奉仕する奴隷も存在する。


 主』



最近、冷静な七瀬が顔を出す。


奴隷だけの特権……。


釈然としなかった。


そんなに御大層なものなのかと。


たしかに。


ご主人さまの足指を舐め、
その様子をご覧になったご主人さまが喜び、
奴隷の千帆が喜び……
というのは、なんとなくわかる。


だけど、ご主人さまの説明は
仰々しいと思った。


まだ、奴隷としての
気持ちが育っていないからなのだろうか……。


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