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~ 愛しい人へ ~
第4章 ~ ご主人様を想う ~
ご主人さまにメールを送信したのと
ほぼ同時に
ご主人様からのメールが届いた。


ああ、今、この瞬間
ご主人さまと千帆は、繋がっているんだ。
と、心から思えた。


 『> ご主人さま、
 本日も調教していただきありがとうございます。
 どうか、
 いたらない千帆をしつけていただけますでしょうか。
 よろしくお願いいたします。


 千帆、よく言えたね。
 千帆は、とても呑み込みが早いね。


 首輪の件だが、今日、買わなくてもよい。
 バッグに入れやすく、
 巻けばコンパクトになる物を選びなさい。


 本来なら、
 私が用意したかったのが、
 しかたがない。


 主』


褒めてもらえた……と素直に喜んだ。


首輪の命令も、今日でなくてもよいと
許していただけた。


そして、なにより……。


~本来なら、
私が用意したかったのが、
しかたがない。~


ご主人さまは、
用意したかった。
と、おっしゃった。


鼻の奥がツンとして、
涙ぐみそうになった。


離れていても。
ちゃんと
思ってくださっているのだと……。


そう思った。


わたしは、もうすぐ、就業時間だったが、
大急ぎで返信を書いた。


「やはりお優しいですね。」という件名で。


『ご主人さまは、やはりお優しいです。


> ペットショップへ寄り、
大型犬用の赤い首輪を買いなさい。


秋葉原のアダルトショップで買いなさいとはおっしゃらず、
ペットショップで……とおっしゃるところに、
千帆は、愛情を感じました。』


そう、わたしは、
アダルトショップで買いなさい。
と、命令なさらなかったことが不思議だった。


本当ならば、奴隷用の首輪を一人で買いに行く…。
羞恥心を煽るのには、とびきりの行為だと思う。


一人で行くのはよくない。
と、ご主人様が思ってくださったのだと
勝手に思うことにした。


聞いたところで、
ご主人さまが答えてくださらないことも
わかっていたし、
主というものは、そういうものだと……
最近感じていたから。


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