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第5章 ～　千帆を想う　～

「お勉強させていただきました。」
と、件名を書いて、
昨日のメールの返信を書いた。


　『千帆は、
　ご主人さまが送ってくださった文章を読みました。


　千帆は、自分自身に正直になれるのか……。
　妄想も欲望も吐き出せるのか……。
　と。


　千帆が、千帆を守る鎧をはずさないと、
　正直になれないですし、
　妄想も欲望も表には出てこないですよね。


　千帆が、ご主人さまの奴隷になる前に
　メールのやり取りをしていた時、
　わたしが奴隷に向いていないと言っていたのはここです。


　千帆は、鎧をはずすのが
　なかなか難しい……と、思っております。


　ご主人さまは、
　千帆がご主人さまのご命令をこなしていく姿をご覧になり、
　簡単だと思っておられるかもしれません。


　千帆は、鎧をはずすのが怖いです。
　千帆は、今までそうして生きていました。
　鎧をはずすということは、
　心を全裸にするということ。
　千帆は、鎧をはずした時に、
　精神的にダメージを受けてしまったら……
　生きていけないとわかっています。


　だから、人一倍重くて大変な鎧を選んで
　身につけているのだと思います。


　私に深く関わった方々は、
　そのあたりはよく見えていたんじゃないかと思います。
　そんな千帆を黙って見守って……。


　ご主人さまは、
　千帆の鎧を外したい？壊したい？


　ご主人さまは、千帆が今まで抑えてきたものを
　解放しようと考えていらっしゃるのではありませんか？


　もしそうだとしたら、
　千帆は、ご主人さまの命令に従いながら心を預けて、
　ご褒美として甘えさせていただいて……よい。
　ということでしょうか？


　千帆は、甘えるのがすごく苦手……です。
　素直になれなくて。不器用なんです。
　この点でも、鎧が必要なんですが。


　千帆は、中学生くらいから空想好きでした。
　想像、空想、妄想……。
　いろんな本もたくさん読みましたし、
　想像力豊かでしたので。


　今、千帆としてご主人さまの奴隷をしておりますが、
　ご主人さまのご命令は、とても恥ずかしいです。
　想像を超えています(笑)
　ご主人さま、
　これからもすてきなご命令を
　たくさん千帆にお与えくださいませ。』