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~ 愛しい人へ ~
第2章 ~ 彼を想う ~
トマトサラダ、お好み焼き、焼きそばを
ふたりで平らげて、店を出た。


すぐ、右の脇道に入れば、すぐそこは
ラブホテル街だ。


わたしは、樹ちゃんの後をついていった。


樹ちゃんは、商店街を抜け、国道を渡った。


「今日は、帰ろう。」


そう言って、樹ちゃんが私の右手を握った。


わたしは、何も言わず、歩いた……。


「帰りは、こっちから帰るよ。」


樹ちゃんは、地下鉄のほうへ歩き出した。


「見送ります。」


わたしは、樹ちゃんと一緒に地下鉄まで歩いた…。


答え……ださないと。


ふたりは、言葉を交わさず
手をつないだまま、歩いた。


地下鉄の改札口……、


いつも、次の約束はしないから。


次は、いつ逢えるかわからない……。


だから。


樹ちゃんが、改札を通ろうとしたから、


「待って!」


わたしは、呼び止めた。


樹ちゃんは、足を止めた。


「わたし……。


わたし……このままでいい。


今のままで……いいから。」


樹ちゃんに…聞こえるように言った。


樹ちゃんは、わたしの方へ戻ってきて、


「泣きそうな顔……するなよ。」


と、言った。


わたしは、弱々しく微笑んだ。


樹ちゃんは、改札を通って、右手を軽く上げて
階段を下りていった。


1回目のチャンスだった。


もし、ここで


「結婚するから。
これからは、友達で……。」


と、言っていたなら、


きっと……、今でも


親友


でいられたのだと思う。


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