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~ 愛しい人へ ~
第5章 ~ 千帆を想う ~
長い休み明けだったので、
仕事は、忙しかった。


ご主人さまからのメールのチェックは、
遅めのランチを取りながらになった。


 『千帆、


 しっかり、罰を受けなさい。


 甘えは、赦されぬよ。


 千帆のことを考えて、
 会社のトイレで
 ボタン付きショーツにはき替えなくともよい。
 と、変更したのだ。


 会社のトイレからはき替えたら、
 電車の中や乗り換えの時に
 千帆が感じすぎて、
 自宅へ帰れなくなると思ったからだ。


 主』


短いメールだったが、
ご主人さまの優しさを感じることができた。


千帆のことを思って、
罰をゆるくしてくださったことがわかった。


調教は、
できないことがあっても、
それを乗り越えていかないのだと
思っている。


だから、
越えたい……と思った。


そして、ご主人さまに
喜んでいただきたいと思った。


ご主人さまのメールをいただいてから、
仕事に戻った。


なんとか、通常の仕事まで追いついた。


あと、1時間で退社時間だった。


わたしは、手持ちぶさたで
スマホをチェックしていた。


ご主人さまから、メールが届いていた。


『> 千帆は、
 ご主人さまが興味をお持ちでいらっしゃるなら、
 なにか千帆にできないかな。
 と、いう気持ちは一緒です。
 でも、何ができるのか…わかりません。


 > 千帆にできることは、ございますか?


 千帆、かわいいヤツだ。


 ゆっくり、考えるとする。


 今日は、とても忙しい。


 主』


「かわいいヤツだ。」
……身体が熱くなった。


ご主人さま、ときどき、
こんなふうに
千帆が舞い上がってしまうような
言葉をくださる。


できないことも、
できるかもしれないと……
思えてしまう。


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