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第5章 ～　千帆を想う　～

ランチの後、
仕事で外出の用事があった。


合間を見て、メールのチェックをすると
ご主人さまから返信があった。


忙しいのに……。
わざわざ千帆のために返信してくれたのだと
思うと……うれしくて仕方がなかった。


　『> 最近の千帆の悩み……というか
　考えていることを聞いていただいて
　よろしいでしょうか。


　> でも。
　本当によかったのかな？
　と、思う時があります。


　> 主従関係の世界にポーーンと飛び込み、
　躊躇がなさすぎた？
　と、ふと思う時があります。


　私は、千帆の悩みや疑問は、
　ごく普通でもっともだと思った。


　私自身、奴隷を飼っていた経験がなければ、
　千帆の行動に驚きや意外性を、
　感じたと思う。


　前の奴隷も、
　緊縛だけされたい。
　主従関係までは考えられない。
　と、最初は言っていた。


　私が、
　「私は奴隷しか縛らない。
　緊縛だけされたいなら、
　他のＳを探しなさい。」
　と言い、連絡しなかった。


　しばらくして、


　「私を
　ご主人様の奴隷にしてください。」


　と、言ってきた。


　それからは、
　私が、意外性を感じ、
　驚く番だった。


　調教し、躾けていくと、
　まるで奴隷として生まれてきたように、
　思考、行動……が
　奴隷の意識となっていたと思う。


　自分を理解し、
　自分が認めた絶対的な誰か（主）に、
　自分の全てを
　支配されたい。
　支配の中で安心したい。
　と、思ったのだろう。


　自分の性癖を晒したい。


　そして、晒したことによって


　「こんなに本心から安心して、
　興奮し、感じることができたんだ。」


　と、自分から進んで
　支配と服従の世界を
　追究していったように思う。


　マゾ奴隷女とは、このような生き物なのだな。
　と、思ったものだ。


　> すんなり、ご主人さまの調教を受け入れ、
　ご命令を行う千帆にちょっと驚く部分はありますが、
　それは千帆自身、理由がわかっているからいいのです。


　千帆、理由に興味がある。
　教えてくれないか？


　主』