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~ 愛しい人へ ~
第2章 ~ 彼を想う ~

私と樹ちゃんが出会ったのは…………12年前。
私が、就業した派遣先に、樹ちゃんがいた。
樹ちゃんの第一印象は、最悪だった。
いつも仏頂面。
仕事のことを聞いても
「あ~。」
と、迷惑そうな返事から始まるような人だった。
社員の女子たちの印象は、両極端。
それもそのはず、自分が嫌いなタイプには
とことん冷たい人だったから。
私の席は、そんな樹ちゃんの横だった。
仕事のことで話さなければいけなかったが、
とにかく嫌だった。
そんなある日。
彼が、イライラしながら、仕事をしていた。
「なんなんだよっ。」
誰も、近づけない中、
私はブツブツ言っている彼の言葉を聞き
「あの~。」
と、声をかけた。
「なに。」
明らかに怒っている……。
私は、小さなため息をもらしてから
「その処理でしたら……。」
と、メモに書きながら説明した。
彼が悩んでいたことは、
私の前職の知識でできることだったから。
「えっ!そうなの、ホントに。」
彼の声のトーンが上がった。
「はい、その処理で大丈夫だと思います。」
「うわ、ホントに?ありがとう。」
あまりにも、いつもと違う声。
さらに
「ホントに助かった。ありがとう!」
彼の弾む声に
私は驚き、
顔を上げて、彼をみた。
それは。
あまりにも。
優しくて
今まで見たことのない笑顔で。
私が、彼のことを好きになるのに
十分すぎる笑顔だった。
私が、就業した派遣先に、樹ちゃんがいた。
樹ちゃんの第一印象は、最悪だった。
いつも仏頂面。
仕事のことを聞いても
「あ~。」
と、迷惑そうな返事から始まるような人だった。
社員の女子たちの印象は、両極端。
それもそのはず、自分が嫌いなタイプには
とことん冷たい人だったから。
私の席は、そんな樹ちゃんの横だった。
仕事のことで話さなければいけなかったが、
とにかく嫌だった。
そんなある日。
彼が、イライラしながら、仕事をしていた。
「なんなんだよっ。」
誰も、近づけない中、
私はブツブツ言っている彼の言葉を聞き
「あの~。」
と、声をかけた。
「なに。」
明らかに怒っている……。
私は、小さなため息をもらしてから
「その処理でしたら……。」
と、メモに書きながら説明した。
彼が悩んでいたことは、
私の前職の知識でできることだったから。
「えっ!そうなの、ホントに。」
彼の声のトーンが上がった。
「はい、その処理で大丈夫だと思います。」
「うわ、ホントに?ありがとう。」
あまりにも、いつもと違う声。
さらに
「ホントに助かった。ありがとう!」
彼の弾む声に
私は驚き、
顔を上げて、彼をみた。
それは。
あまりにも。
優しくて
今まで見たことのない笑顔で。
私が、彼のことを好きになるのに
十分すぎる笑顔だった。

