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~ 愛しい人へ ~
第3章 ~ 私を想う ~
「七瀬、来月、誕生日だよな。」


「はい……。」


「いつ、空いてる?」


咄嗟のことで、わたしはつい、


「誕生日……土曜日なんで。」


と、つぶやいた。


「じゃ、それ予約な。」


……、そんなこと言わないで。


うれしすぎて。


困る……。


わたし、樹ちゃんと


さよなら


しようかと……揺れているのに。


樹ちゃんに逢うと、


やっぱり、揺らいでしまう。


食事を終え、


雑貨を見たり、書店に寄ったりした。


上りのエスカレーターで珍しく、


わたしが前に立った。


1段空けて、樹ちゃんが立つ。


振り向くと、樹ちゃんの顔が


ちょうど、同じ高さになった。


樹ちゃんは、目をつぶって、


少し、唇を突き出した。


前後に人はいなくて。


下りのエスカレーターもいなくて。


わたしは、


樹ちゃんの唇に


触れた。


それは


ほんの一瞬。


軽い……キス。


樹ちゃんは、にっこり笑った。


なにも言わず。


なぜかな……。


わたしは、


これが、最後のキスになるような


せつない予感がした。


そして、それは……当たっていた。


ううん……もしかしたら、


わたしは、


やっぱり


樹ちゃんとの別れを


意識していたのかもしれない。


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