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~ 愛しい人へ ~
第3章 ~ 私を想う ~

ストレスのたまらない距離感……
と、書いたメールを送ってから
やっぱり……彼からのメールは、なかった。
彼の体調は気になっていたから、
当たり障りのない文面のメールを送ったけれど
音沙汰はなかった。
わたしは、今までのように
メールや電話をすれば
また、元の関係に戻ってしまうと
わかっていたから、
それ以上、メールも電話もしなかった。
ちょうど、そんな思いをしていた頃、
妹からメールが届いた。
祖母は、病院で入院せず、
自宅療養しているということだった。
子どものことで帰省する用事があったので、
お見舞いに行くことにした。
本当は、お見舞いをメインに考えたかったけれど、
そうすると、
祖母が自分の病気を気にするんじゃないだろかと思った。
帰省当日、
新幹線のホームに立ち、ふと
この間、新幹線に乗ったのはいつだろうかと……と振り返った。
前回の帰省は、家族でクルマで行ったから……。
わたしは、手のひらをぎゅっと握った。
彼と大阪でデートしたあの時……。
彼の単身赴任先と彼の自宅のちょうど真ん中……
それが彼と私の生まれ育った街。
そして、彼と私が出逢った街。
用事があって、帰省することを彼に伝えたら、
じゃあ、一緒に泊まろう。
その足で、自宅に戻れば、
一緒の新幹線で帰れるし……と。
うっかり……思い出してしまった。
子どもが話しかけてきた。
わたしは思い出を心の片隅に追いやった。
思い出したら、
泣き出しそうになる……。
今は、ダメ……。
母の顔で、わたしは
「もうすぐ新幹線、ホームに着くね。」
と、笑顔で子どもに話しかけた。
と、書いたメールを送ってから
やっぱり……彼からのメールは、なかった。
彼の体調は気になっていたから、
当たり障りのない文面のメールを送ったけれど
音沙汰はなかった。
わたしは、今までのように
メールや電話をすれば
また、元の関係に戻ってしまうと
わかっていたから、
それ以上、メールも電話もしなかった。
ちょうど、そんな思いをしていた頃、
妹からメールが届いた。
祖母は、病院で入院せず、
自宅療養しているということだった。
子どものことで帰省する用事があったので、
お見舞いに行くことにした。
本当は、お見舞いをメインに考えたかったけれど、
そうすると、
祖母が自分の病気を気にするんじゃないだろかと思った。
帰省当日、
新幹線のホームに立ち、ふと
この間、新幹線に乗ったのはいつだろうかと……と振り返った。
前回の帰省は、家族でクルマで行ったから……。
わたしは、手のひらをぎゅっと握った。
彼と大阪でデートしたあの時……。
彼の単身赴任先と彼の自宅のちょうど真ん中……
それが彼と私の生まれ育った街。
そして、彼と私が出逢った街。
用事があって、帰省することを彼に伝えたら、
じゃあ、一緒に泊まろう。
その足で、自宅に戻れば、
一緒の新幹線で帰れるし……と。
うっかり……思い出してしまった。
子どもが話しかけてきた。
わたしは思い出を心の片隅に追いやった。
思い出したら、
泣き出しそうになる……。
今は、ダメ……。
母の顔で、わたしは
「もうすぐ新幹線、ホームに着くね。」
と、笑顔で子どもに話しかけた。

