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~ 愛しい人へ ~
第3章 ~ 私を想う ~
子どもの用事を済ませて、


祖母の自宅に着いたのは、


もう夕方ちかくだった。


居間にあった見慣れた家具類はなく、


代わりにベッドが置かれていた。


「元気?しんどくない?」


ベッドに横たわる祖母に声をかけた。


「今日は調子がいいから。」


いつもの祖母の声。


少し、弱々しい声のように聞こえたが、


思ったより、元気だった。


妹は、祖父母の晩ごはんを作り、


母の弟にあたる……叔父さんは、


祖母が歩きやすいように、


リフォームの準備にやってきていた。


わたしは、ベッドの横に座り、


祖母にたくさん話しかけた。


夫や子どものこと、仕事のこと……。


話すのをやめてしまうのが


なぜだか…怖かった。


祖母の周りには、私、私の子ども、
妹に叔父さん、そして、祖父がいた。


祖母はたくさんの身内に囲まれていた。


あっという間に時間は過ぎ、


ホテルに戻る時間になった。


「また、来るから。」


わたしは、笑顔で答えた。


「お盆までにまた来れると思う。
この子の用事があるから。」


わたしは、子どもに目を向けてそう言った。


「お盆まで、持つかな。」


祖母がささやいた。


「なに言ってるの~。大丈夫に決まってる。」


わたしは、にこにこしてそう言った。


祖母に手を振り、玄関に向かう……。


玄関を出る時、


祖父と叔父さんに


「また、近いうちに来るね。」


と、声をかけた。


妹のクルマに乗る時に、


わたしは振り返って、祖母がいる家を見た。


あと何回、わたしはお見舞いに来れるのだろうか…。


と、思った。


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