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~ 愛しい人へ ~
第3章 ~ 私を想う ~
高校生の夏、


祖父がアルバイトしている工場で


人手が足りないから、アルバイトに来ないか……と


声をかけてもらった。


アルバイトをすることにうるさい両親だったが、


祖父の口利きであったことと、


工場での部品作りという地味な仕事であったことで


許可が得られた。


わたしの家から、祖父母の家は、


2駅分……以上あった。


自転車に乗るのが好きな私は、


ウォークマンのイヤホンを片耳だけかけて


堤防沿い、自転車を走らせて、ほぼ毎日、


働きに行った。


地味な仕事だったけれど、母と同じ年齢くらいの


おばさんたちは、みんな優しかった。


そして、私の楽しみは……祖母の作るお昼ごはんだった。


毎日、祖母がお昼ごはんを用意してくれた。


なすとわかめのおみそ汁、砂糖と醤油の味つけの卵焼き、


焼き魚に、根野菜の煮物……。


祖母の作ってくれるお昼ごはんは、特別ではなかったけれど、


母の味とは違ったおいしさがあった。


もっと感謝の言葉をたくさん伝えておけばよかった。


それから、社会人になって。


転職するたびに、なぜか祖母にその旨を伝えていた。


祖母は、母と違って、耳を傾けてくれた。


そして、助言してくれた。


就職して、すぐに仕事を辞めることを伝えた時も、


理由を聞いてくれて、励ましくれた。


頭ごなしに叱ることは……なかった。


こうして、振り返ってみると、


母よりも祖母に相談することが多かったように思えた。


祖母は、


わたしを認めてくれていた……と気がついた。


間違ったことを言った時は、ちゃんと諌めてくれたし、


落ち込んでいる時は、わたしのいいところを認め、


励ましてくれた……。


わたしは、祖母がいなくなる間際になって


ようやくそのことに気がついた……。


自己肯定感の低いわたし……。


でも、祖母は


わたしをきちんと認めてくれていた。


小学生のころからずっと……。


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