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第11章 悩んで揺れて、また悩む

自分の手を、ぎゅっと握る。


「だけど…… 蓮くんの事は……その……」

「彼女がいるって聞いても、まだ好きなんだろ？」

「…………っ」


ヒメに言われて、急激に体が熱くなった。

……奪うなんてしたくないし、諦めなきゃいけないのは分かってる。

それに、あんな素敵な彼女に敵うわけない。

でも……

どうしても……蓮くんに恋してる気持ちを消す事ができない。

それに、ヒメは蓮くんから彼女を取り戻したいわけだから……

その事が、あたしの頭の中をぐるぐる駆け巡っていた。


そもそも………

蓮くんがヒメから彼女を奪うことになった、理由はなんだったのかな。

あーーだめだーー！

頭がこんがらがる……


「………美和。 あのさ」

「は、はい！？」


ヒメに呼ばれて、ハッと我に返った。




その時だった。