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片想いの行方
第12章 違和感
ううん、というより………

さっきからヒメのことを誘ってるけど

優香さん、蓮くんの彼女なんだよね……?

ヒメは元カレなんでしょ?


……蓮くん……

優香さんがこんな風にヒメに声をかけてるの、知ってるのかな……?


「…… “ 偶然 ” 会っただけなんだから、付き合えねーよ」


ヒメは溜息をついて、少し口調を強めた。


「今は美和といるから、また機会があったらな」

「……ヒメ……」


あたしの方に振り返ったヒメは、少しだけ口角をあげる。

あ……

やっと笑った……


「行こうぜ」


ヒメは前を向いて歩き出した。


「……あ、じゃあ……」


あたしはぺこりと会釈して、ヒメの後ろにについていく。

すると


「待って」


後ろから優香さんが呼び止めた。


「美和ちゃんは、姫宮くんの彼女じゃないんでしょ?」

「……えっ?」


あたしは思わず振り返る。

ヒメも立ち止まった。


「付き合ってないなら、私より美和ちゃんを優先する理由はないよね?」

「…………!」


優香さんは笑顔のままだけど、どこか冷たい気がして……

な、なんかちょっと怖い。

優香さんはあたしの方は全く見ずに、ヒメだけを見つめていた。


「あ、あの……あたし……」


思わず発した言葉の途中で、ヒメが遮り私の横に並んだ。
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