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片想いの行方
第46章 朝の7時と、夜の9時
マンションのエントランスに着いて、俯きながら自動ドアを抜けた。
冷たい空気が再び体を包みこむ。
足早に駅までの道を進もうとした………その時だった。
「おい。 無視してんじゃねーよ」
「……………!!」
……え………?
突然後ろから聞こえた低い声。
私は驚いて振り返った。
その先には………
「……………っ」
「クソ寒い中、この俺を待たせやがって。
あと5分遅かったら帰ってたからな」
……エントランスの横の、花壇に腰をかけていたヒメは
立ち上がると、ゆっくりと近付いて
私の前に立った。
「……なんてな。 冗談だよ」
「…………!」
「お前が出てくるまで、ずっと待ってるつもりだった。
……俺は、時間なんて気にしねぇ」
「…………っ」
「美和が来てくれるまで、いつまででも待っててやるよ」