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片想いの行方
第53章 彼の心
「あ~もうっ 可愛いなぁ♡」
麗子さんはもうひとつの手で、くしゃっと私の髪を撫でる。
「お安い御用!
本当はバリカンでも使ってツルッパゲにしたいところだけどね!」
「……あんまり泣くと腫れるわよ。
明日も普通に仕事なんだし、いい加減泣き止みなさい」
またそーやって冷たい態度するんだから~っと、優香さんを見て麗子さんが溜息をつく。
2人は、全てを分かっているかのように、それ以上私には何も聞いてこなくて
その優しさが伝わって、私の涙はさらに止まらなくなってしまった。
………ヒメは、私を見て少しだけ微笑むと
そのまま外に視線を戻した。
……ヒメ……
私の願いを、本当に叶えてくれるなんて………
何も言わない彼の後ろ姿を見ながら、私の心臓は壊れたように鳴り続けていた。
* * *
エレベーターが1階について、ロビーを抜けようとしたその時
「美和ちゃん!」
大きな観葉植物の向こうから
目に涙を溜めた奈々さんが走ってきた。
「……奈々さん……!」
「良かった!今、ヒメくんからメールが届いて……
~~~って!!
モ、モデルのREIKO……!?」
私に駆け寄った途端、奈々さんはギョッとした顔で隣りを見る。
「どうも~♡
そこにいる弟がいつもお世話になってます」
「……お、弟!?」
麗子さんがニッコリと微笑むと、奈々さんは頭をクラクラさせた。
「……ヒメ君のお姉様……REIKOの弟……
そう考えたら納得だけど………す、すごい遺伝子……」
麗子さんはもうひとつの手で、くしゃっと私の髪を撫でる。
「お安い御用!
本当はバリカンでも使ってツルッパゲにしたいところだけどね!」
「……あんまり泣くと腫れるわよ。
明日も普通に仕事なんだし、いい加減泣き止みなさい」
またそーやって冷たい態度するんだから~っと、優香さんを見て麗子さんが溜息をつく。
2人は、全てを分かっているかのように、それ以上私には何も聞いてこなくて
その優しさが伝わって、私の涙はさらに止まらなくなってしまった。
………ヒメは、私を見て少しだけ微笑むと
そのまま外に視線を戻した。
……ヒメ……
私の願いを、本当に叶えてくれるなんて………
何も言わない彼の後ろ姿を見ながら、私の心臓は壊れたように鳴り続けていた。
* * *
エレベーターが1階について、ロビーを抜けようとしたその時
「美和ちゃん!」
大きな観葉植物の向こうから
目に涙を溜めた奈々さんが走ってきた。
「……奈々さん……!」
「良かった!今、ヒメくんからメールが届いて……
~~~って!!
モ、モデルのREIKO……!?」
私に駆け寄った途端、奈々さんはギョッとした顔で隣りを見る。
「どうも~♡
そこにいる弟がいつもお世話になってます」
「……お、弟!?」
麗子さんがニッコリと微笑むと、奈々さんは頭をクラクラさせた。
「……ヒメ君のお姉様……REIKOの弟……
そう考えたら納得だけど………す、すごい遺伝子……」