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片想いの行方
第56章 恋する姫君
………俺が間違っていた。
一条葬り作戦成功の報酬として、この店でなんか食えばいいとは言ったけど
~~~限度があるだろ!
この女2人に、“ 軽く ” とか “ ささやか ” なんていう優しい言葉は通用しねぇ。
運ばれてきた高級ワインを飲み、BARだっつーのに料理も鬼のようにオーダーする姉貴と優香。
その姿はもう、魔王と悪魔の晩餐にしか見えなかった。
「……俺よりてめーらの方が数倍も稼いでるだろーが。
人の足元見やがって、最低だな」
ボトルを引き寄せて自分のグラスに注ぎ、溜息を漏らす。
「アホ。 こっちだって必死だったのよ?
私も優香も自分の人生懸けたんだから」
ライダーのように全身黒革で固めた姉貴は、ワインのグラスを見つめて続ける。
「でも、美和ちゃんの笑顔を見れたから。
……それが私の胸を熱くしたの。
だから、もういいのよ。それだけで充分」