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片想いの行方
第56章 恋する姫君

毎年12月24日と25日、このBARではクリスマスライブが開催される。

今年は土日ってこともあり、両日とも予約席は数か月前に売り切れていた。

明日の夜のリハーサルは夕方で終了したから、別に2人への礼は今夜でいいんだけど……


「クリスマスイヴの夜に、三十路女2人で深酒って。
終わってるな」


俺が呟いたささやかな攻撃。

2人は同時に睨んでくる。


「うるさいわボケ。
あんた人の事言える立場じゃないでしょ」

「姫宮くん、周り見てみなさいよ。
私達と同じ女性達がいっぱいいるでしょ。
下手な事ほざくと、ファンが減るわよ」

「……………」


……酒豪だし口悪いし言葉冷てぇし。

だからどっちも独身のままなんだよ。

美和を見習えっつーんだアホ。
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