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片想いの行方
第56章 恋する姫君

『………楽しかったよ。
礼はもういいから、今後は俺に気を遣うな。
今まであのハゲに散々してきたんだから、もういいんだよ』


店の外に出て、ふらつく腕を持って支えてやると

酒で顔を赤らめた美和が、俺をじっと見る。


『今日も明日も、時間を気にしなくていいんだよね?』

『……ああ』

『これからも夜飲みに行くとして、もし待ち合わせに遅れちゃったら、ヒメ許してくれる?』

『いいよ。俺は心が広いから』


俺の言葉を聞いて、美和は微笑んだ。



『……幸せすぎて、どうしよう』


『……………』


『ありがとう、ヒメ。

また私の前に現れて

大切な人達と一緒に、あっという間に助け出してくれて

私のヒーローだよ』

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