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片想いの行方
第56章 恋する姫君
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「あんた、何顔赤くしてんのよ」
「………………」
「もう酔っ払ったの?ダサ~」
姉貴の言葉も、耳を通り抜ける。
……ヒーローとか、言うんじゃねーよ。
どれだけ俺の心臓を突き破れば気が済むんだ。
結局俺はその日、明日25日のライブのチケットだけを渡して
ご丁寧に駅のホームまで付いていき、終電に乗る美和を見送った。
………持ち帰れなかったのは
大事すぎて、手も繋げなかったから。
……………
……俺って………