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片想いの行方
第56章 恋する姫君
「…………」
社会人になってからも、大学関係の集まりで何度かその顔は見ていたけど
昨日、蓮に会ったのは数年ぶりだった。
一条の命綱である父親が、商社関係者だと奈々さんに聞いてから
瞬時に蓮が使えると思ったけど
直接繋がりがあり、結果一条追放までこぎつけるとは、さすがの俺も予想できなかったわけで
蓮の制裁は、一条に逆ギレや復讐までもさせない、徹底的なトドメになった。
……任務を遂行し、感謝はしてる。
だけど
昨日のクリスマスツリーの前で、美和を見つめる蓮の目を見て
………俺は確信した。
嫌味なくらい、あの頃の精悍な顔立ちを維持し
大学卒業まで続けた水泳によって、細いけど鍛え上げられた体。
高給と引き換えに、鬼と言われる超大手総合商社で続けられるのも納得できる。
色々とパワーアップしたその容姿と風貌。
でも
……美和を見るその眼差しだけは、変わっていなかった。
結局あいつは俺と同じで
きっと、蓮も俺を見てそう察したに違いない。
……また繰り返すのか?
それとも………