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片想いの行方
第9章 星空の下で
「…………っ」


……心臓の鼓動がうるさい。

こんなに鳴ってたら、蓮くんに聞こえちゃうよ……


「8時まであと少しか。
確かに星の数はすごいけど、本当に流星群なんてくるのかな」


私のすぐ隣りで、足を伸ばした蓮くんが呟く。

黒のTシャツに、色落ちしたデニム。

……初めて見る蓮くんの私服。

ラフな格好だけど、Tシャツの袖から日焼けした腕がすらっと伸びて、たまらなくカッコイイ。


月灯りに照らされたその横顔を、あたしはちらっと見る。

……近くには誰もいない。

静かな時間。


あたしは、ドキドキするのと同時に、この幸せな時間を噛みしめていた。

……ヒメがくれたきっかけ。

無駄にしちゃダメだ。
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