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異常性愛
第29章 相克
私には新しい絆が出来た。
私の浮気を直感していながらそれを表沙汰にせず、私達の将来に望みを繋ぐ晶子の心の曇りを晴らし、来るべき我が子との初対面をまともな自分で迎えたい。
亭主は仮契約書と高級ペンで、金曜の夜の始末をつけようとしているが、そんなことで私の思いにケジメはつかない。
会社を出てから一時間程で亭主の病院に着いた。
目の前にそびえ立つ巨大病院が権力の象徴のように見える。
私が嫌忌する力。
結局 私はそれに飲み込まれかけていた。
この機会で自分の過去にピリオドを打てなければ、私は一生後悔することになる。
大きな息を吐き、亭主の執務室に向かった。