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異常性愛
第29章 相克
『難しいです・・。
私が大輔さんの幸せを邪魔するなら、
私は自分の幸せを探します。
それが大輔さんを好きでいることなら、
それでもいいでしょ?』
『構わないよ。
真美ちゃんの想いまでは変えられない。
僕だって、奥さんに内緒で
真美ちゃんを想ってるんだから。
家族のようにね。』
『家族・・・ですか。』
『そう、家族。 妹、かな。』
ポンとヒザを叩いた真美は、諦めたように何度も小さく頷いていた。
『おうちが出来るまでは
顔 見れますよね?』
『それでも仕事を?』
『ええ、最後まで
面倒見てください。』
『わかった。やらせてもらいます。』
真美に顔を向けて頷いた。
大きな目に涙を溜め、微笑む真美。
瞬きが涙を頬に伝わせた。
自分の思いを通せず我慢するしかなかった、幼い頃の自分を見ているようで、胸が張り裂けそうだった。