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異常性愛
第30章 潤む瞳
日に日に母性が増していく晶子の胸に埋まって眠りたかったが、私はやせ我慢して晶子を腕に抱き、男子の沽券をなんとか保った。
『眠れないの?』
『喉が渇いただけだよ。』
『エアコンかな?』
『たぶんな。』
『急にいなくなったら寂しいよ。』
『お前 寝てたじゃん。』
『目覚めたもん。
どこにも行かないで。』
『キッチンだよ。』
『ダメ。行かないで。』
眠気眼の晶子は私にしがみ付き、頬を擦り付けた。
やはり私の心境を察知しているのだろう。
もう、心配させたくない。
『行かないよ、どこにも。』
『行かないで・・・・。』
そう呟いて、晶子は私の腕の中で眠りに落ちた。