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異常性愛
第30章 潤む瞳
『ディー、今日はどこ行くの?』
『肉屋だよ。ゆっくり話せる。』
『ふぅん。楽しみ。んふっ。』
結婚前に交際していた女性と時々行った、空港の傍にある焼肉屋を思い出し、昨夜のうちに予約しておいた。
全席が個室になっていて、込み入った話をするには丁度いい店だった。
真美の時と同様、ホテルに行けば私は性欲に秒殺される。
店内は数年前と変わらず和風の落ち着いた佇まいで、和装の女性に丁寧に持て成され、予約していた部屋に通された。
ウーロン茶で乾杯した後、室内を見回し、優子は感心した。
『いいお店知ってるのね。
よく来るの?』
『いやもう長く来てないな。
五、六年前かな。』
『じゃ、奥様とも来てないんだ。
ふふっ。』
『そうだな。来てない。』
リーズナブルとは言えないこの店にそうそう足を運べない。