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異常性愛
第30章 潤む瞳
『ディーもほら、食べて。
はい、あぁ~ん。』
焼けた肉を箸で摘み、手を添えて私の口に運んでくれる。
私と同じように口を開け、肉を噛む間 大きな眼で優しく私を見つめ、飲み込めばニコっと笑う。
『どう?おいしでしょ?』
『旨いね。』
味などしない。
『ね、ほんと、おいし。』
『よかったよ、喜んでもらえて。』
懸命に肉を焼いた。
浮き上がった私の脳が身体の外にあるような感じで、頭の中は何もまとまっていない。
『あ、そうだ。ディー、
で、真美ちゃんどうだったの?』
『はっ、ああ、それだ。』
私の頭は既に優子と別れたことになっていて、別れ話をまだ切り出していなかったことを今更のように思い出した。
優子の質問で私は正気を取り戻した。