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異常性愛
第31章 羽化
『いいとこ知ってるんだろ。
たくさん。』
『そうね、海外に行きたかったな。』
『海外か・・。』
『でも、どこでもいいかな。
ディーとだったら・・。』
叶わぬ夢。
だが、私はそれを叶えてやろうともしなかった。
自分勝手に優子を愛し、優子に甘えただけの我侭な恋愛だった。
『酷い男だったな。』
『あはは、そだね。』
手摺に身体を預け、優子は笑った。
着陸した旅客機が、エンジンを逆噴射させて唸りを上げる。
その爆音が消えるのを待って優子は私に訊ねた。
『ねぇディー、
赤ちゃん いつ解ったの?』
『土曜の昼だよ。』
『・・・そう。
今日まで辛かったでしょ。』
『え?うん、まぁな。』