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異常性愛
第31章 羽化
   
後部座席にスーツケースを放り込み、助手席に優子を押し込んで車を出した。
優子は何も言わず助手席に収まり、寒い車内で小さな身体をすくめていた。

空港へ接続する高速道路の高架下をぶっ飛ばし、独身時代によく利用した空港近くのモーテルを目指した。
シフトレバーに掛けた私の手をギュッと握る優子。
黙ったまま何も聞かず、自分たちがどこに向かっているのか解っているようだった。

性欲に勝とうが負けようがどうでもよかった。
優子の感情を吐き出させてやりたい。
私にあるのは、それだけだ。

モーテルのギラついた電飾が道路沿いに見え、大きく開いた出入口に向かってハンドルを切り、テントシートで仕切られた狭い駐車スペースに車を停めてエンジンを切った。



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