この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
異常性愛
第31章 羽化
『パパ、パパァ。』
晶子が私を呼ぶ声が聞こえる。
干したばかりの湿ったタオルをくぐり、網戸を開けてリビングに顔を入れた。
『なに?』
『おやかん、噴きそう。』
『あ、はいはい。』
キッチンに走り、コンロの火を消した。
『ごめんね、ありがと。
ほら見て、寝そう。』
晶子の乳房に吸い付く産まれたばかりの息子は、薄ピンクの小さな唇でキュッと乳首を吸ってはフワッと眠り、口から乳首が離れると慌てて乳首に吸い付いて、私の親指ほどの小さなアゴを一所懸命に上下させ、迫る睡魔と闘っている。
『がんばるねぇ。
眠けりゃ寝ちまえばいいのに。』
『ほんと、がんばりやさん。』
『母親に似たんだよ。』
『そうかしら?ふふっ。』
母乳が詰まった大きな乳房にあてがった息子を、優しい眼差しで包み、晶子は微笑む。