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異常性愛
第31章 羽化
春には真美の新居も完成し、私は真美との約束を果たし、役目を終えた。
施工当初は私が頻繁に出入りしたが、チアキは人懐こく現場に溶け込み、現場職人とも良好な関係を築き、工事終盤はほとんど彼女一人で仕事をこなしてくれ、ほぼ完璧に完成した新居を真美に引き渡すことが出来た。
私達のプランは専門誌にも取り扱われ、業界で耳目を集めるようになり、高所得者層からの引き合いが徐々に増えつつあった。
チアキは私に遠慮したが、プラン責任者をチアキにクレジットし直し、私はこの案件から完全に名前を削除した。
チアキのキャリアアップの一助になれば、それでいい。
完成披露パーティには課長とチアキ、それとなぜかサイカが顔を出し、私は体調不良を口実に参加しなかった。
空疎になりつつある私の印象を、真美の心の中に攪拌したくなかった。
チアキは真美と一晩飲み明かしたと後日聞いたが、それ以来二人は意気投合し、チアキは個人的に真美と付き合っているようだ。
少々心配ではあるが真美もチアキも子供ではない。
チアキが真美のいい話し相手になってくれればと思う。