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異常性愛
第31章 羽化
私は春から配属が変わり、施工部門の課長として籍を置くこととなった。
施工部の部長が私を引っ張ったようだった。
ちょっとした栄転ではあったが、中間管理職として扱われながらも、いわゆる¨板ばさみ¨を全く意に介さずのんびりやっている。
気晴らしに活気のある建築現場に出かけ、若い作業員の邪魔をしながら一日過ごすのも悪くない。
どちらかと言うと私の性に合っているようで、新しい部署の仲間と飲み歩くことも増えた。
スズメの涙ほどだが給料も上がり、息子のミルク代にはなりそうで、晶子は私の昇進を大いに喜んだが、私は特に盛り上がりもなく日々を過ごしている。
サラリーマンの仕事など、空いた穴を埋めればいいとしか思っていない。