この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
異常性愛
第31章 羽化
そんな中、ひと月前に待望の息子が産まれた。
腹の中でへその緒が巻きつき、仮死状態が確認された息子は緊急手術で事なきを得、私達の元に産まれてくれた。
二千グラムジャストで早めに取り出され、様々な障害を懸念されたが、保育器で二週間ほど甘やかしてもらい、今の所 問題なく元気にやっている。
目の中に入れても痛くないというが、上手く言ったものだと思う。
おそらく痛くないだろう。
息子を見ていて思う。
あの時、優子と別れることができていなければ、私は今とは全く違う心持ちで息子と対面していたに違いない。
優子との愛を捨てる非情さは、私の決意を揺さぶり、判断を誤らせかけた。