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異常性愛
第31章 羽化
そうして私は晶子だけを見ることが出来るようになった。
思えば恥ずかしい話だが、やっと辿り着けたという気がしている。
リビングから晶子が私を呼んだ。
『コーヒー入ったよ。』
『ありがと、行くよ。』
洗濯物の残りを干し終え、強い日差しに流れ出た汗を拭いてリビングに戻ると、緩く効いたエアコンが心地良く汗を退かせた。
息子は柵のついた特等席ですやすやと眠り、乳首に吸い付く夢を見ているのか、時々ムニャムニャと口を動かしている。
横目に息子を見ながら、氷でグラスを鳴らしてコーヒーを喉に通すと、スッキリとした苦味が口元に残った。