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異常性愛
第31章 羽化
『はぁ、旨い。』
『ご苦労さま、暑かったでしょ。』
『いやホント、暑いよ。外は。』
『なんでも出来るようになったのね。』
『洗濯だけはな。』
『おうちの中も綺麗だし、
・・・ごめんね。』
『暇つぶしだよ。』
『アレ、どしたの?』
晶子はソファの裏に立て掛けたギターを指差した。
高校の卒業前に友人から譲ってもらったアコースティックギターで、当時は夢中になって練習したが、歳を重ねるごとに持っていたことすら忘れていた。
『あぁ、掃除してたら出てきてさ。
仕事帰って、ひとりで退屈だろ。
磨いてたら弾きたくなってさ。』
『あたし、聞いたこと無い。』
『まぁ、そのうち。
まだ指先が軟くて。』