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異常性愛
第5章 甘い罠
  
翌朝、クルマを走らせ、涼子の自宅へ向かった。

自宅周辺は、広大な屋敷に庭を広くとった家が並ぶ、閑静な住宅街だ。
予定より早めに着いた私は、道路脇にクルマを停め、車内で時間を潰した。

やがて、こちらに向かう幼稚園の送迎バスが対向車線に見えた。
それをやりすごし、クルマを出した。
少し離れた大きな公園の駐車場にクルマを停めて、そこから歩いた。

涼子は今、自宅に一人だ。
そこで私が来るのを待っている。
自然に私の歩みは速くなっていた。

ゆるい坂道の途中、涼子の家が見えたあたりで空メールを送った。
すぐに返信が届いた。

《鍵、あいてるよ。
 インターホンは×》

周囲を見渡した。遠くに鳥のさえずりが聞こえる。
近隣の屋敷はどこも生垣やフェンスが目隠しになり、奥まった建物は道路から見えない。

何食わぬ顔で涼子の家の前まで歩き、門扉が開いたままの屋敷へ入った。
開閉音が響かないように開けてあるのだろう。

玄関までの長いアプローチを、ジャミ石を避けて音を立てぬよう忍び歩き、身体ひとつ分、ゆっくりドアを開けた。



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