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異常性愛
第6章 慕情 ―affection―
涼子に声をかけた。
『奥様、以前にお送りした
現物見本帳はございますか?』
涼子は、あっ!と思い出して、納戸から見本帳を抱えてきた。
厚みのあるその見本帳には、素材を小さくカットしたサンプルがたくさん貼ってあり、質感や色調を五感で確認できる。
それを涼子の向かいに座る、亭主の前にドンと置いて説明した。
『どうぞお手で確かめてください。こちらはですね・・・』
亭主は興味を持ち、見本帳に集中し始めた。
私の説明をよそに、ページをめくりサンプルを撫でている。
涼子は私の手元にあるカタログに興味がある様な素振りで、私に近い側へ席を移動しカタログを広げた。