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異常性愛
第6章 慕情 ―affection―
『はぁ・・はぁ・・・
はぁぁ・・・はぁ・・・ねぇ。』
涼子は喉を鳴らし、私を見据える。
『ねぇ、あたしのこと・・・すき?』
珍しい質問に戸惑った。
私達は愛情を言葉で伝えあうような間柄ではなかった。
これまでも¨愛してる¨とか¨スキだ¨などと囁きあうことはなく、少なくとも私は意識して口に出さなかった。
正直に言えば、涼子とのセックスがスキなのであって、涼子を愛しているかといえばそうではない。
女性らしさや気品、頭の良さは今まで出会った女性のなかで涼子は最高だ。
ただ私には女性を¨スキ¨になる感覚が、よくわからないのだ。
いくら¨スキ¨だと言っても異性間にはその先に交接行為があり、最終的にそこへたどり着く。
その¨スキ¨には必ずセックスが絡む。
そもそも亭主を眠らせ、その横でセックスをするような女を愛せる訳がない。