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異常性愛
第6章 慕情 ―affection―
女性は必ず好悪(こうお)を確かめようとするが、女性に対しての愛情に疑問を持つ私には、その返答を誤魔化すことしかできない。
嘘をつくことに罪悪感はない。
セックスができるのなら嘘など平気だし、今までもそうだった。
だが、できるなら嘘は少なく付き合えた方がいい。
嘘は自傷行為だ。
不倫セックスの快感は、その痛みの代償のようなものだ。
ましてや嘘まみれのダブル不倫など、性的な快感以外のどこに真実があるというのだ。
そんな私の乾燥した人間性を涼子は察知していて、今までそれを私に問うことはなかったのだが¨みんな¨という言葉が涼子の矜持(きょうじ)を貶め、私の巨根が涼子の冷静さを失わせ、つまらない質問をさせてしまったのかもしれない。