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異常性愛
第8章 掌

『口止め料じゃ。
あきちゃん、言うなよ。』
『いいよ叔父さん、
お金なんて貰わなくても言わないよ。』
『いいから、とっとけ。』
叔父は何度か咳き込み、残りのビールを飲み干した。
『ホントはダメなんでしょ。お酒。』
『医者がでたらめを言うだけじゃ、
おばさんは信じとるがな。はははっ!』
『あたしが怒られちゃうよ。』
『なら、ワシもあきちゃんに
口止め料もらわにゃ。はははっ』
肝臓を患い、好物の酒を断たれた叔父は、いつもこの借家で叔母に隠れて晶子の母にビールをせがんでいた。

