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異常性愛
第9章 正義の味方
『こちらです。』
通された病室は、暖色系の弱い照明が燈されていた。
ベージュの壁紙に陽光が反射し、明るく風通しの良い清潔な個室だった。
その広さは家族が患者の死に際を看取るに充分な空間だ。
見るからに高そうなここの入院費用は、事業を再建しつつある晶子の父が肩代わりしているようだ。
大き目のベッドに横たわる晶子の叔父は、数本の透明の管と細いケーブルに繋がれて眠っていた。
案内してくれた看護師に尋ねた。
『どうなんですか?容態は?』
『安定しておられますよ、今は。熱も下がりましたが・・。』
『そうなんですか。』
『肝臓・・・でしたね。あと痛風と・・・。夜は寝苦しそうにされてますねぇ。』