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異常性愛
第9章 正義の味方

花瓶を探しきれず、晶子は洗面器に水を溜めて花を仮活けした。
寝返りをうった叔父が目を開けた。
『ごぉほっ・・ごぉほっ・・・ううぅう・・ぐうぇっ!』
叔父は、咳に痰を絡めて汚らしくえずき、身体を捻って傍らの屑入れに痰を吐いた。
痛風の痛みで涙目の叔父は私の顔をじっと見つめ、ついで晶子を見つめる。
『ぉぉ、あきちゃん・・・きたんか。いてて・・。』
『・・どう、・・体調は?』
私の背後から晶子は絞るように精一杯の声をかけた。
ベッド際にあった水差しを私が口元へ運んでやると、叔父は水差しの口を咥えチュッと水をひとくち吸って喉を潤した。
『ぉぉ・・・、すまんのぉ。』
包まれた手で口を拭くと、ふぅと小さく力のない息を吐いた。
『どぅ・・どうじゃ・・・なかよぅ・・・やっとるか・・。』
震えたかすれ声でたどたどしく話す叔父は、会話の途中で息継ぎをしなければならないほど心肺機能が弱っていた。
『ぅん・・・なかよくしてる。』

