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異常性愛
第9章 正義の味方
母親との電話を終え、晶子が隣に座った。
『お母さん、なんて?』
『一応、親戚に連絡するって。
誰も来ないんじゃないかって。
嫌われてたみたい・・・。』
『そうか。なら俺がついてやってもいい。』
そんな気はまったくなかったが、晶子をひとりで付かせる訳にはいかない。
もう一度病室に戻るなら、叔父の全身の間接を砕いてやるつもりだった。
『ありがとう、でもいいって。
お父さんがもうすぐ来れるらしいの。』
『そうか、じゃ帰ろうっ!』
私は膝をパンッと叩いて立ち上がり、大きく伸びて息を吸った。
伸びをする私に、晶子は抱きついてむせび泣き、声を詰まらせながら言葉を繋いだ。
『ありがとう・・・好きよ。』
『いやぁ、俺もすっきりしたよ。』
話を逸らした私の耳を、晶子がキッと噛んだ。
『いてっ!』
私が痛がると、晶子は海老のようにサッと後ずさりして涙目で笑う。
『やっぱ、はずかしがりだね。ふふっ。』
『そんなことは言わなくてもわかるだろ。
・・・ってぇなぁ。』